会社が従業員に負担する社会保険料ですが、加入の義務についてご紹介します。

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社会保険加入の義務

会社の資金繰りにおいて重要な社会保険

 

会社の資金繰りで重要になるのが従業員への福利厚生で負担する社会保険料です。
昨今は労働基準法の改正で労基署の取り締まりが厳しくなり、従業員の社会保険加入で財務状況が悪化する企業が増えています。
ご存じの方も多いと思いますが、社会保険の中でも負担が大きい厚生年金と健康保険は会社側が半分負担するルールです。
会社負担の社会保険料は、従業員の所得によってや加入する健康保険組合などによって変わってきますが、月収25万円で社会保険の合計は3万5千円前後(会社負担は1.5~2万円前後)です。

 

月収25万円の社会保険料の一例
厚生年金  2万3,000円
健康保険  1万2,000円
雇用保険  1,300円
合計  36,300円

 

強制適用事業所と任意適用事業所と強制加入の対象者

従業員を雇用する会社は社会保険の加入が完全に義務になる強制適用事業所と、社会保険に加入するか任意適用事業所の2種類があります。
法人の場合は大半が強制適用事業所になります。

 

強制適用事業所の対象業者

常時従業員が5人未満の個人事業所
常時従業員が5人以上のサービス業・農林漁業など一部の個人事業所

任意強制適用事業所の対象業者

常時従業員が5人未満の個人事業所
常時従業員が5人以上のサービス業・農林漁業など一部の個人事業所

法人で正社員がいるのであれば、社会保険の加入は必須です。
パート・アルバイトなどの従業員がいる場合は、業種によって複数の要件がありますが、もっとも大きなポイントになるのが従業員501人以上の会社規模です。
一般的な中小企業の場合、非正規労働者は本人の意思で選べるようになっています。
細かいルールは、業種や要件、従業員の収入によって変わってきますが、従業員501名以下の会社であれば、従業員が希望すれば社会保険に加入させないといけません。
従業員が加入したくないと意思表示をすれば、強制適用事業所でも社会保険の加入義務はありません。

 

会社折半のカラクリが存在する現状

社会保険の原則は会社折半で半分負担することですが、パートやアルバイトを雇用する中小企業は社会保険に加入すると従業員が損をするカラクリを用意しているケースが多いです。
会社側が最低労働賃金など一定の基準を満たしていれば、社会保険料の負担を人件費で帳尻合わせをできてしまいます。
フルタイムフリーターの大半が社会保険に加入していない会社の特徴をご覧ください。

 

  • 社会保険に加入すると手当がなくなる(減額される)
  • サービス残業や忙しい時間や曜日(土日など)の強制勤務を強いられる
  • サービス残業を求められる
  • 雇用形態はアルバイトでも正社員のような責任を持たされる

 

会社経営者は早めの対策が必要

会社経営者への社会保険環境整備のアドバイス

社会保険の加入義務や、フリーターが社会保険加入で不利になる状況を作らせない法改正が継続的に議論されています。
今後はさらに規制が厳しくなることが予想されていて、インターネットの普及で待遇が悪い会社は離職率が高まったり悪評が広まって風評被害が発生したりする事例が増えています。
会社経営者で従業員を雇うのであれば、給料との帳尻合わせなど逃げ道があったとしても、早めに従業員にとってメリットのある環境を作る改革に取り組むべきです。